法規制

盛土規制法が建設発生土の搬出に与える影響と2026年の実務対応

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盛土規制法が建設発生土の搬出に与える影響と2026年の実務対応

2022年5月に公布された「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称:盛土規制法)は、2023年に施行され、2026年現在、全国の都道府県で規制区域の指定が完了しつつある段階にある。

この法律は盛土を行う側(受け入れ先)を規制するものだが、建設発生土搬出する側(出し手)にも実質的な影響が及んでいる。本記事では、その影響内容と2026年時点での実務的な対応手順を解説する。


目次

  1. 盛土規制法の概要と規制の仕組み
  2. 建設発生土の搬出側への影響
  3. 2026年時点での実務対応チェックリスト
  4. 質証明書の準備方法
  5. 規制対応で失敗しないための注意点
  6. まとめ

1. 盛土規制法の概要と規制の仕組み

盛土規制法は、盛土・切土・埋め立て工事による土砂災害(土砂崩れ・地すべりなど)を防止することを目的とした法律だ。2021年の熱海市土石流災害を契機に、従来の「宅地造成等規制法」を全面改正する形で制定された。

主な規制内容

規制区域 対象 許可等の要件
宅地造成等工事規制区域 宅地での造成工事 都道府県知事の許可
特定盛土等規制区域 宅地・農地等での特定盛土 都道府県知事の許可または届出

規制区域指定の状況(2026年時点) 全国の都道府県が規制区域の指定を進めており、2026年中に多くの都道府県で指定が完了する見込みだ。規制区域外のエリアでも、将来的に指定される可能性がある。


2. 建設発生土の搬出側への影響

盛土規制法は搬入先(受け入れ側)を規制する法律だが、建設発生土の搬出者にも以下の影響がある。

(1)搬入先の許可状況確認が必要

規制区域内で盛土工事を行う搬入先(造成業者など)は、都道府県知事の許可を取得している必要がある。無許可の搬入先に建設発生土を搬出した場合、「違法な盛土工事への加担」として出し手側にも法的リスクが及ぶ可能性がある。

2026年時点では、多くの造成業者が許可申請を進めているが、許可申請が完了していない事業者も存在する。搬出前の確認が欠かせない。

(2)土質証明書の実質義務化

盛土規制法の許可申請において、搬入土の土質・汚染状況の証明書類の提出が求められるケースが増えている。搬入先が許可申請を行う際に「搬入土の土質証明書」が必要になり、搬出者に書類提出を求めるケースが増えている。

これまで「口頭の説明」で済んでいた土質の確認が、書面での証明が必要になっている。

(3)規制区域マップの確認が必要

搬入先が規制区域内に所在する場合、許可の有無確認が必須になる。各都道府県が公開している規制区域マップで確認できる。


3. 2026年時点での実務対応チェックリスト

建設発生土の搬出前に確認すべき事項を整理した。

搬入先の確認(搬出前)

  • 搬入先が盛土規制法の規制区域内かどうか確認する
  • 規制区域内の場合、搬入先が都道府県知事の許可を取得しているか確認する
  • 許可取得の証明書類(許可証の写し等)を入手する

自社の準備(土質証明)

  • 搬出土の土質区分を確認する(第一〜四種建設発生土の区分)
  • 土地利用履歴の調査結果を文書化する
  • 汚染懸念の有無を明記した書類を準備する
  • 可能であれば測量済みの土量データを取得する

搬出後の記録管理

  • 搬出先・搬出量・搬出日の記録を保存する(5年以上推奨)
  • 搬入先の受け入れ確認書を取得する

4. 土質証明書の準備方法

盛土規制法の対応において、土質証明書は最も重要な書類の一つだ。準備方法は以下のとおりだ。

ステップ1: 土地利用履歴の確認

法務局で登記記録・公図を取得し、対象地の過去の利用用途を確認する。ガソリンスタンド跡地・工場跡地・農薬使用歴のある農地などは汚染リスクが高い。

ステップ2: 土質区分の確認

国土交通省の「建設発生土等利用技術マニュアル」の判定基準に基づき、発生土の土質区分(第一〜四種)を確認する。地盤調査結果・ボーリングデータがある場合はそれを活用する。

ステップ3: 土質試験(必要に応じて)

土質区分の確認に専門的な判断が必要な場合、地盤調査会社・土質試験機関に試験を依頼する。試験結果を土質証明書として発行してもらう。

ステップ4: 書類の整備と保管

土地利用履歴・土質区分・汚染懸念の有無をまとめた「建設発生土搬出申告書」として整備し、搬入先に提出する。書類は5年以上保管する。


5. 規制対応で失敗しないための注意点

注意1: 「知らなかった」は免責にならない

盛土規制法違反は行政罰の対象であり、搬出者として「搬入先が無許可だと知らなかった」という主張は免責にならないケースがある。搬入前の許可確認は出し手の義務として実施する必要がある。

注意2: 規制区域指定は随時更新される

規制区域マップは各都道府県が順次更新している。「以前確認したら規制区域外だった」という場合でも、直近の指定状況を改めて確認する必要がある。

注意3: プラットフォームでの情報開示が重要

ツチオクでは、搬入先が規制区域内かどうか・許可取得状況の確認を取引前に推奨している。案件登録時に「搬入先許可確認済み」と明記することで、取引の信頼性を高めることができる。


まとめ

盛土規制法の全国適用が進む2026年において、建設発生土の搬出者が対応すべき実務ポイントは次の3点だ。

  1. 搬入先の許可確認: 規制区域内の搬入先は許可取得済みかを確認
  2. 土質証明書の整備: 土質区分・汚染懸念の有無を書面で証明できる状態にする
  3. 記録の保管: 搬出先・搬出量・日付の記録を5年以上保管

ツチオクでは、これらの情報を案件登録時に明示する機能を提供しており、許可確認済みの安全な取引環境を整備している。