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残土の受け入れを断られる9つの理由と、断られない出し方

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残土の受け入れを断られる9つの理由と、断られない出し方

搬出先に断られるのは、たいていそのものが悪いからではない。受入側が判断するのに必要な情報が揃っていないか、受入側の条件に合っていないだけであることが多い。

しかもダンプが現場に着いてから断られると、往復が丸ごと無駄になる。運転者の拘束時間にも積み戻しの手間にも跳ね返る。断られる理由は事前に潰せるものがほとんどだ。

この記事では、受入側が実際に見ている9つの論点を分解し、それぞれの回避策を整理する。


目次

  1. 土質区分受入条件に届いていない
  2. 含水比が高い
  3. 異物が混じっている
  4. 粒径が大きい
  5. 土壌汚染の懸念が確認されていない
  6. 試験成績書・証明書類がない
  7. 数量が合わない
  8. 時期が合わない
  9. 搬出先側の法令要件を満たせない
  10. 断られない出し方の型
  11. まとめ

1. 土質区分が受入条件に届いていない

最も多い。受入側は用途に応じた土質を求めており、そこに届かなければ受けられない。

国土交通省の発生土利用基準では、発生土はコーン指数と土質材料の工学的分類を指標に第1種〜第4種建設発生土および泥土の5区分に分けられる。第2種は800kN/m²以上、第3種は400kN/m²以上、第4種は200kN/m²以上、泥土は200kN/m²未満だ。

受入側の要求はさらに具体的になる。たとえば名古屋市緑政土木局の埋戻材の特記仕様書では、埋戻材として使う建設発生土は第1種・第2種建設発生土であることに加え、発生土CBR 8%以上(公園緑地用は3%以上)などの物性値が求められる。第3種・第4種相当の粘性土は、そのままでは対象にならない。

回避策: 設計図書・地質調査結果から自分の土の区分を先に見立てる。区分が足りないなら、その区分で受けられる先を探すか、土質改良を検討する。区分の詳細は第1種〜第4種建設発生土の違い、受入基準の読み方は建設発生土の受入基準の読み方を参照。


2. 含水比が高い

雨天掘削・湧水・水中掘削で水を含んだ土は扱いにくい。発生土利用基準は、降水や浸出地下水により含水比が増加すると予想される場合は1ランク下、水中掘削等による場合は2ランク下の区分とすることを注記している。つまり同じ土でも掘る条件で区分が下がる

受入側から見ると、水を含んだ土は締固めができず、運搬中の荷こぼれリスクもある。搬入時点で「これは無理」と判断される典型だ。

回避策: 搬出時期と排水計画を先に決める。天日乾燥や水切りで含水比を下げれば区分が上がることもある。詳しくは建設発生土の含水比と処分先選定含水比が高い土の運搬リスクと対策


3. 異物が混じっている

木片・金属片・布・コンクリート塊・アスファルト塊の混入は、多くの受入基準で明文の不可事由になっている。名古屋市の埋戻材規格でも、これらの異物を含まないことが条件として明記されている。

異物が混じった土は、受入側にとって処理コストが跳ね上がる。1台に混入があっただけで、以降の搬入をまとめて止められることもある。

回避策: 掘削・積込段階での分別を徹底する。解体を伴う現場ではとくに注意が要る。廃棄物との線引きは建設発生土と建設廃材の処理ルートの違いで整理している。


4. 粒径が大きい

転石やガラが混じって最大粒径をオーバーすると受けられない。発生土利用基準は土質材料の工学的分類体系における最大粒径を75mmとしているが、受入先の仕様はさらに厳しいことが多い。名古屋市の埋戻材規格では最大粒径50mm以下だ。

管周辺の埋戻しに使う場合はもっと小さい粒径が求められることもある。用途が細かいほど粒径の要求は厳しくなる。

回避策: 搬出前にふるい分けの要否を判断する。受入先に「最大粒径いくつまでか」を必ず確認する。


5. 土壌汚染の懸念が確認されていない

工場跡地・ガソリンスタンド跡地・農薬使用歴のある農地からの発生土は、汚染懸念土壌として扱われる。受入側の基準では土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の溶出量・含有量基準への適合が求められるのが通例だ。

さらに令和5年5月26日施行の資源有効利用促進法の省令改正により、元請業者は発注者の土壌汚染対策法等の手続状況を確認し、その結果を現場掲示することが義務づけられている。工事区域が区域指定地域に該当する場合、その土は建設発生土ではなく汚染土としての取扱いになる。

回避策: 土地の利用履歴を先に調べる。懸念があるなら隠さず開示する。隠して搬入するとトラブルになるうえ、後から発覚すれば取引そのものが止まる。境界の判断は重金属汚染土壌と発生土の違いを参照。


6. 試験成績書・証明書類がない

土そのものが問題なくても、「それを示す紙」がないと受けられない現場がある。とくに公共工事の受入先や認定資材を扱うプラントは、認定条件を維持するために書類にこだわる。

求められることが多いのは、土質試験成績書(コーン指数CBR粒度など)、発生場所の証明、搬入記録だ。なお名古屋市の仕様書では、使用数量が100m³未満の場合に品質試験を省略できる規定もある。数量の伝え方で必要書類が変わることもある。

回避策: 受入先に「何の書類が要るか」を最初に聞く。試験には日数がかかるので、搬出直前に聞くと間に合わない。


7. 数量が合わない

受入側にも容量の上限がある。「あと300m³しか受けられない」ところに1,000m³を持ち込もうとすれば断られる。逆に少量すぎて受入の手間に見合わない、という断られ方もある。

土量の申告が実際とずれているケースも多い。地山量・ほぐし量のどちらで話しているかが食い違うと、現場で数量が合わなくなる。

回避策: 土量を地山量で正確に出し、どの単位で話しているかを明示する。分割搬出が可能かも確認する。発生土量の計算方法造成工事の土量計算と発生土の把握方法を参照。


8. 時期が合わない

受入側は自分の工程で土を必要としている。造成の盛土材が要るのは特定の期間だけで、その前後は受けられない。「今週中に出したい」という都合は、受入側の工程とは無関係だ。

回避策: 搬出可能な期間に幅を持たせ、早い段階から候補を複数持つ。急ぎになるほど選択肢が減り、条件も悪くなる。段取りは工程に間に合う搬出先を確保する段取りの作り方、急な変更への対応は急な工程変更で残土搬出が間に合わない時のツチオク活用にまとめている。


9. 搬出先側の法令要件を満たせない

近年はここが増えている。令和5年5月26日以降に契約する工事では、元請業者は搬出先が盛土規制法の許可地であるか等を事前に確認し、確認結果票として現場に掲示する義務がある。さらに令和6年6月1日からは、搬出先からさらに別の搬出先へ土が動いた場合に最終搬出先まで確認する義務も加わった。

そのため元請側が「受領書を出せない搬出先」「許可根拠がはっきりしない搬出先」を使えなくなっている。受入側から断られるのではなく、元請側の要件で使えないというパターンだ。

回避策: 搬出先を選ぶ段階で、盛土規制法の許可・届出の有無、公共施設用地かどうか、登録ストックヤードかどうかを確認する。詳しくは建設発生土の搬出先明確化義務登録ストックヤード制度


10. 断られない出し方の型

9つの理由を裏返すと、搬出前に用意すべき情報が決まる。受入先に最初に伝える情報を定型化しておくと、断られる回数が減る。

項目 伝える内容
土質 想定区分(第1種〜第4種)/土質の種類/試験の有無
含水比 掘削時期・湧水の有無・排水計画
異物 分別状況/解体混じりの有無
粒径 転石・ガラの有無/最大粒径の見込み
汚染 土地の利用履歴/土壌汚染対策法の手続状況
数量 地山量で何m³/分割可否
時期 搬出可能期間(幅を持たせる)/1日あたりの搬出可能台数
場所 現場所在地/搬出先までの想定距離
書類 出せる書類/受領書の発行可否の確認

この9項目が揃っていれば、受入側は即答できる。揃っていないと「現物を見てから」となり、判断が搬入当日まで持ち越される。当日に断られるのはこのパターンだ。

写真の撮り方ひとつでも反応が変わる。残土出品の写真の撮り方写真と測量データで受入先の信頼を得る方法も参考にしてほしい。


11. まとめ

  • 断られる理由は9つに分解できる。土質区分・含水比・異物・粒径・汚染・書類・数量・時期・搬出先の法令要件
  • ほとんどは搬出前に潰せる。当日に断られるのは、判断材料を搬入当日まで持ち越したときに起きる
  • 含水比は同じ土でも区分を1〜2ランク下げる。掘削時期と排水計画が受入可否を左右する
  • 異物混入は明文の不可事由になっていることが多い。1台の混入で以降の搬入が止まることもある
  • 令和5年以降は元請側の確認義務が増え、「受領書を出せない搬出先」は使えなくなっている
  • 9項目を定型で伝えれば、受入側はその場で判断できる

断られない出し方の本質は、受入側が判断するのに必要な材料を、こちらから先に渡すことに尽きる。

ツチオクは建設発生土・残土のマッチングプラットフォームとして、排出側の土質・数量・時期と受入側の条件を突き合わせる場を提供している。出品時にこの9項目を整理しておけば、条件の合う相手だけが集まり、当日の空振りが減る。